森永乳業グループでは、サステナビリティ経営の実現のために「社員一人ひとりがサステナビリティを自分事化することが重要である」という考えのもと、事業による社会課題の解決を目指し、全社活動と現場活動に取り組んでいます。
長期的な視点で各課題に取り組んでいくため、2030年を目標年としたグループ共通の目標である「サステナビリティ中長期計画2030」の推進を担う「サステナビリティ委員会」による推進体制の構築と、全国の事業所における現場ならではの「事業所サステナビリティ活動」を通じたサステナビリティの自分事化の両輪で活動を推進しています。
社長を委員長、サステナビリティ本部長を副委員長、社内取締役および全本部長を委員として構成し、事務局はサステナビリティ推進部が務めています。半年に1回開催する定例委員会のほか、気候変動対策部会、プラスチック対策部会などの分科会を設置しています。
委員会では、当社が自社の商品・サービス、活動を通じて社会課題を解決し、社会とともに持続的に成長することを目指すため、事業とサステナビリティ活動の融合を目指してロードマップを策定し、これに即した諸活動の推進管理、それに基づいた討議を行っております。
また、討議の内容は取締役会に報告されます。
直近の討議内容
2023年度第1回(2023年4月)
2022年度第2回(2022年10月)
2022年度第1回(2022年4月)
当社グループでは、地域コミュニティとの共生やステークホルダーとのコミュニケーション、貢献を通じた一人ひとりのサステナビリティの自分事化を目指し、事業所サステナビリティ活動に取り組んでいます。
サステナビリティ推進リーダー
2021年に、事業所のサステナビリティ活動推進のため、国内グループの80事業所で「サステナビリティ推進リーダー」を任命しました。
推進責任者である事業所長のもと、推進リーダーを中心に、自事業所のサステナビリティ活動のテーマを設定し、取り組みを行っています。
「サステナビリティフォーラム」の開催
全国の推進リーダーが集い、活動推進に向けてのナレッジ共有等を行う相互啓発の機会として、「サステナビリティフォーラム」を年に2回開催しています。
「サステナビリティ大賞」表彰
また、年に1回開催される社内表彰制度「Morinaga Milk Awards(森永ミルクアワード)」に、「サステナビリティ大賞」を設けています。
サステナビリティ大賞は、「事業所にて自律的に行われる地域貢献や環境保全などの活動を讃える賞」であり、事業所のサステナビリティ活動の好事例として、全社的に称え、各事業所にも共有されます。
社員へのサステナビリティ教育
森永乳業グループでは、一人ひとりがサステナビリティを自分事化するため、サステナビリティやSDGs、そして「サステナビリティ中長期計画2030」への理解を深めるため、全社教育活動を行っています。
全グループ社員に対して動画コンテンツやe-ラーニングを提供し、2022年度のe-ラーニングの受講率は96.4%になりました。
また、「サステナビリティ中長期計画2030」を理解する機会として、全国の事業所にて、社員参加型のワークショップや勉強会を開催しています。2022年度は国内80事業所中、58事業所、さらに海外の2事業所においても勉強会を開催しました。
企画グループ、推進グループ、環境マネジメントグループで構成されます。
企画グループ
サステナビリティ中長期計画の企画・立案、サステナビリティ委員会の運営、サステナビリティに関する社内外への情報発信、企業文化・組織風土改善施策の立案、実施および推進
推進グループ
各事業所におけるサステナビリティ活動の支援、工場見学・育児相談・食育などの推進
環境マネジメントグループ
全社的な環境対策の企画・推進、環境に関わる戦略全般の立案、ISO14001環境マネジメントシステムの運用・管理、環境活動に関する社内外への情報発信および法令に基づく届け出
経営・事業に与えるリスク・機会の分析や、ステークホルダー視点での優先度評価を通じて、重点的に取り組むべき課題(マテリアリティ)を特定しました。今後も、環境変化に応じたマテリアリティの定期的な見直し・レビューを図ります。
2022年度を開始年度とした2030年度までのサステナビリティ中長期計画にて、7つのマテリアリティを軸とした取り組み目標を新たに設定しました。
前中期経営計画でのサステナビリティ目標と実績についてはESGデータをご確認ください。
マテリアリティ | モニタリング指標 | 2022年度実績 | 2024年度中間目標 | 2030年度目標 | |
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食と健康 | 健康への貢献 | 健康課題に配慮した商品の売上高 (’21年度比)※1 |
1.1倍 | 1.2倍 | 1.7倍 |
健康栄養に関する研究の論文公表数増加(特許含む) |
論文公表数47件
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健康増進・食育活動への参加者 (’21~’30年度) |
2022年度:約10万6千人 延べ人数:16万5千人 |
延べ35万人 | 延べ100万人 | ||
自社の健康貢献イメージ向上 (コーポレートブランドイメージ調査※2) |
17.9% | - | 25% | ||
食の安全・安心 | グループ全生産拠点でのFSSC22000などGFSI認証規格の取得 |
93% ※国内生産拠点取得率は、100% |
国内全生産拠点での認証維持・強化 | グループ全 生産拠点での 認証取得・ 維持 |
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消費者の求める安全・安心のためのトレーサビリティの仕組み化 | トレーサビリティのシステム化を推進 | ||||
品質事故ゼロ・法規遵守の取り組み継続 |
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資源と環境 | 気候変動の 緩和と適応 |
Scope1+2 CO₂排出量削減率 (’13年度比) |
23.0% | 23%以上 | 38%以上 |
Scope3 GHG排出量削減率 (’20年度比) |
10.0% | 3%以上 | 10%以上 | ||
気候変動に対するBCPが 策定された拠点の割合 |
2023年度開示予定 | 100% | |||
環境配慮と 資源循環 |
国内生産拠点における ISO14001認証維持率 |
国内生産拠点における 認証取得率96% |
国内全生産拠点 認証取得完了 |
100% | |
石油由来バージンプラスチック 使用量の削減率(’13年度比) |
22.9% | 10%以上 | 25%以上 | ||
産業廃棄物の再資源化率 (ゼロエミッションの達成) |
99.3% | 99% | ゼロエミッション達成 | ||
水資源使用量の削減率('13年度比) | 14.1% | 11%以上 | 15%以上 | ||
排水処理水質の維持・向上 | 生産拠点の排水処理設備の定期的な点検による適切な排水処理の維持と、増産に応じた設備の増強を実施 | ||||
主要ブランドでの環境配慮設計の適応率 | 2023年度開示予定 | - | 100% | ||
持続可能な 原材料調達 |
RSPO マスバランス認証への切替率 | 22.8% | 80% |
100% |
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FSC認証等環境配慮紙使用割合 | 30.4% | 100% | - | ||
原材料サプライヤーへの支援拡大 | 酪農におけるふん尿処理システム「MO(エムオー)-ラグーンfor Dairy」を那須岳麓農場に導入。 | ||||
人と社会 | 人権と多様性の 尊重 |
サプライチェーン全体での 人権方針の遵守 |
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人権DDの実行と 対策、継続体制構築 |
継続遵守 |
女性管理職比率 | 5.8% | 6%以上 | 10%以上 | ||
男性育休取得率 | 90.5% | - | 100% | ||
介護離職者 | 1人 | 0人 | |||
重大労働災害発生件数 | 0件 | 0件(継続) | |||
人財育成に向けた研修投資額 | 3.1万円/人/年 | - | 4万円/人/年 | ||
地域コミュニティとの共生 | 各事業所での地域活動への参加者延人数 (’21~’30年度) |
2022年度:5,927人 延べ人数:9,559人 |
3万7千人 | 10万人 | |
地域活動を実施するグループ全体の事業所の割合 | 100%(国内) | 国内100% | グループ内100% |
※1 Topics「健康課題に配慮した商品設計」に記載している商品
※2 当社が実施する消費者調査。2021年度は健康貢献イメージが15%