かがやく"笑顔"のために森永乳業

中期経営計画 2025-28 (2026年3月期~2029年3月期)

森永乳業グループは、10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を、2019年4月に制定しております。当ビジョンでは、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を10年後の当社グループのありたい姿と定め、「営業利益率7%以上」「ROE10%以上」「海外売上高比率15%以上」を2029年3月期の数値目標に設定いたしました。
2029年3月期までの4年間の「中期経営計画2025-28」では、「森永乳業グループ10年ビジョン」の実現を目指し、さらにもう一歩先のありたい姿である「大きな特徴を持ち、利益率の高い企業へ」に向かって取り組みを進めてまいります。

中期経営計画 2025-28 基本方針

2026年3月期から始まる4年間の中期経営計画は、2019年から掲げてきた「森永乳業グループ10年ビジョン」、その実現に向けた仕上げの期間となります。さらにもう1歩先のありたい姿、「大きな特徴を持ち、利益率の高い企業」になっていくことを目指します。
基本方針として、「成長戦略」、「構造改革」、「組織風土改革」の3点を掲げています。 「成長戦略」として、当社の強みを活かせる領域へ経営資源を集中させ、「構造改革」として、組織の再構築、生産体制の再編による効率の向上を図り、「組織風土改革」として、資本収益性の向上への取り組み、高い専門性と多様性に富んだ人財集団の形成を、推し進めます。


中期経営計画 2025-28 基本方針(策定にあたって重視した考え方)

この計画を策定するにあたって重視した考え方が、「メリハリ」、という言葉です。これは中計期間の4年間にとどまらず、中長期的に当社グループに定着させたいと思っている考え方です。
この言葉には、「森永乳業グループに変化をもたらし、将来にわたって成長し続ける会社にしていきたい」、そういう思いを込めています。
これまで全方位に向いていた対応を見直し、強弱をつけた資源配分や体制再編を行うことと併せて、社員一人一人がメリハリを意識することで生産性を向上させていきたいと考えています。


中期経営計画 2025-28 経営指標

2019年から一貫して掲げてきた、10年ビジョンの数値目標は、全ての項目で達成を目指します。
いずれも高い目標になりますが、成長領域を中心に、ポテンシャルへの自信を持っているゆえ、設定した目標です。
そして、10年ビジョン策定当時の目標だけではなく、新たな中計においては、投下資本に対する社内の意識を高めるために全社ROICを目標として新設するとともに、働きがいのある会社にしていきたい、という思いから社員エンゲージメントレーティングも目標に設定しました。


成長戦略(カテゴリーごとの位置づけ/役割の明確化)

基本方針の一つ目、成長戦略についてです。
前中計では提供価値を中心とした4つの事業区分としていましたが、今回は各カテゴリーの位置づけと役割を明確化した上で、役割に応じた区分を管理する形に変更しました。
全方位の思考から脱却し、強みを最大限に生かせるヨーグルト、アイス、菌体、海外育児用ミルク、この4つのカテゴリーを成長領域に位置づけて、資源を集中投下していきます。


成長戦略(成長領域への資源集中)

こちらは投資と研究開発人員の配分についてお示ししています。
成長領域であるヨーグルト、アイスへの投資を増やしたいと考えています。また、老朽化対応を含めた拠点維持のために必要な投資も、実効性を評価して継続します。
研究開発人員も成長領域への配分を増やし、独自性のある商品の開発や、新たな菌体のエビデンス獲得を目指します。


成長戦略(成長領域の定量目標)

売上高、営業利益の分野ごとの内訳です。
成長領域のカテゴリーは、当社グループの中でも、特に利益率の高いカテゴリーです。この領域に経営資源を集中投下することで、より利益率の高い企業を目指します。


成長戦略(ヨーグルト)

成長領域の4つカテゴリーの方針をご説明します。
ヨーグルトは「ビヒダス」と「パルテノ」にリソースを集中させます。

「ビヒダス」ブランドは、当社の強みであるビフィズス菌のPR強化や新たな機能性の追求によって拡大を図ります。「パルテノ」については、需要に製造が追いつかずに機会損失が発生していたブランドであり、生産設備の増強をはじめとした拡大に向けた取り組みを進めます。


成長戦略(アイス)

アイスでは、国内ではトップシェアの獲得、あるいは輸出拡大を視野にチャレンジしていきます。そのために国内、海外、BtoB、BtoC、その垣根なく商品設計の段階からチャネルエリアの多角化を意識することによって、スピード感を持った商品展開を図ります。


成長戦略(菌体)

当社グループではさまざまな機能性素材を扱っていますが、世界で独自の存在感を発揮できるビフィズス菌に資源を集中し、売上の倍増を目指します。
菌体に注力していくために、2025年4月から菌体の販売組織を本部組織化しました。国内外の垣根を取り払い、グローバルの販売体制とすることで、注力エリアで売上を拡大させていきます。
また、新しいエビデンスの拡充やシールド乳酸菌などの研究開発に加えて、今後より一層、重要度が増す知財、法務、バックオフィスの機能強化も実施しています。


成長戦略(海外育児用ミルク)

海外の育児用ミルクです。育児用ミルクはビフィズス菌とも相性が良いカテゴリーです。
研究開発リソースを強化することで、先行者優位が生かせるエリアでの商品開発速度を上げ、製品ラインナップを拡充していきます。ターゲット層を増やすには柔軟なマーケティング戦略も必要になるため、コスト競争力の向上にも取り組み、当社ブランドの拡大に繋げます。


構造改革(商品力/販売力向上に向けた組織再構築)

基本方針の二つ目、構造改革についてご説明します。
まず、組織の再構築についてです。事業の司令塔となるマーケティング本部、機能素材事業本部を新設し、効率性を高めると同時に事業成長を加速させていきます。また、バイオティクス研究所の設立により菌体の事業展開力を強化するほか、財務本部の独立によって投資の実効性の向上を図ります。


構造改革(生産体制再編による生産効率の向上)

国内の生産体制の再編についてです。
この中計期間中に紙パックラインを半分に集約します。北海道えにわ工場の建設稼働を決定しましたが、これは飲料の生産体制再編の一環での投資判断です。併せて、ラインのみならず拠点の集約も計画しています。
一方で、成長領域のヨーグルトやアイスでは、需要に追い付かず販売機会ロスも生じています。こうしたカテゴリーについては設備を拡充します。
今後も国内市場の動向を見極めつつ、需要に対して最適な生産体制を構築していく方針です。


組織風土改革(資本収益性向上への取組強化)

基本方針の三つ目、組織風土改革についてです。
より一層社内の資本コストへの意識を高め、資本収益性の向上を図るため、新たな経営指標としてROICを導入しました。この4年間は、生産体制再編や成長領域への投資を予定していますが、事業成長に加えて固定費の削減に取り組むことで、収益性の向上を目指します。


組織風土改革(高い専門性と多様性に富んだ人財集団の形成)

人的資本に関する方針です。
社員エンゲージメントの向上、その実現に向けた施策を通じて、当社グループの目標とする、「高い専門性と多様性に富んだ活力ある人財集団の形成」を目指し、企業価値向上に繋げていきます。


キャッシュアロケーション・還元方針

最後に、キャッシュアロケーションおよび株主還元方針についてです。
キャッシュインとキャッシュアウトの考え方は、こちらの図に記載のとおりです。有利子負債は最適資本構成に向けて適切に活用したいと考えています。
配当性向目標は、前中計の30%から、40%へと引き上げました。また、自己株式の取得につきましては、2026年3月期においては100億円の取得予定を発表しました。今後につきましても、状況に応じて機動的な対応を検討していく予定です。投資へのキャッシュアウトについては、戦略投資枠をはじめ、状況に応じて実際の規模感は変わっていく可能性があります。

以上が、新たな中期経営計画の概要になります。10年ビジョンの数値目標をすべて達成し、さらにもう1歩先のありたい姿、「大きな特徴を持ち、利益率の高い企業へ」なっていくため、メリハリを意識した取り組みを進めてまいります。

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