商品開発

マウントレーニア カフェラッテ

四半世紀を超えて愛される
チルドカップコーヒーのパイオニア、
その開拓の歴史
マウントレーニア カフェラッテ

日本で初めての手軽に飲める
「本格派コーヒー」

《マウントレーニア カフェラッテ》の開発が始まった1990年代初頭は、日本では喫茶店が主流で、カフェオレやアメリカンなどがよく飲まれていました。RTD※市場を見ても、お風呂上りに飲むコーヒー牛乳や缶コーヒーなどしか存在していませんでした。そこで、当時、北米西海岸のシアトルを中心に流行していた、スチームミルクとエスプレッソコーヒーをブレンドした「カフェラテ」に着想を得て、「片手で持ち運べる」「手軽に飲める」という新しいスタイルの商品開発プロジェクトがスタート。1993年、プラスチックカップ入りチルドコーヒー、《マウントレーニア カフェラッテ》を発売しました。

※RTD(Ready-To-Drink):パッケージ内ですでに完成していて栓を開けてすぐに飲める商品

マウントレーニア カフェラッテ
1993年発売当時の《マウントレーニア カフェラッテ》。左がマイルド、右がビター。

当社では、1985年にロングライフ製法による日本で最初のチルドカップ飲料を発売しており、カップタイプ飲料を製造する技術がありました。ところが肝心の中身に関しては、当時の日本ではイタリア発祥のエスプレッソ自体がまだ一般には浸透しておらず、エスプレッソとミルクを組み合わせた「カフェラテ」の飲み方自体を普及することから始める必要がありました。

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森永乳業独自の「ロングライフ製法」

森永乳業の商品の賞味期限を見ていただくと、賞味いただける期間が1ヶ月以上ある商品があります。この多くは、無菌の状態で製造した、当社独自のロングライフ製法により実現された商品です。ロングライフ製法とは食品の殺菌と容器の殺菌を別々に行い、保存料や防腐剤を使用せず、「おいしさ」と「長持ち」を両立させることができる技術です。現在は、牛乳、清涼飲料水、デザート、流動食など当社のさまざまな商品で応用されており、ロングライフ製法の商品は、家庭内の食糧の廃棄率を下げるほか災害時の備蓄にも使える便利な食糧として活躍しています。

《マウントレーニア カフェラッテ》の多層プラスチックカップ

《マウントレーニア カフェラッテ》では、2か月以上の賞味期限を実現するため、バリア性の高い多層プラスチックカップを採用しています。加熱殺菌したカフェラテを無菌環境下で充填する「アセプティック充填」と、多層バリアによる高い酸素透過防止効果で賞味期限を長くすることが可能です。また、ヘッドスペースの酸素を窒素に置換

《マウントレーニア カフェラッテ》では、2か月以上の賞味期限を実現するため、バリア性の高い多層プラスチックカップを採用しています。加熱殺菌したカフェラテを無菌環境下で充填する「アセプティック充填」と、多層バリアによる高い酸素透過防止効果で賞味期限を長くすることが可能です。また、ヘッドスペースの酸素を窒素に置換して充填・密封することにより、酸化による風味劣化を抑制。高品質な原料の風味を損なうことなく、味わっていただくことができます。

マウントレーニア カフェラッテ

して充填・密封することにより、酸化による風味劣化を抑制。高品質な原料の風味を損なうことなく、味わっていただくことができます。

森永乳業ならではのこだわりと
手淹れのコーヒーに近づけるために。

~製法へのこだわり~

開発当時、一般的に普及していた缶コーヒーは「レトルト殺菌」が主流でした。レトルト殺菌は、ミルク分とコーヒー分を混合し、容器に密閉した後に、加圧加熱殺菌する方法です。殺菌条件が過酷なため、本来のおいしさを維持するのは困難でした。一方、当社は超高温瞬間殺菌(UHT)法を採用し、加熱による風味への影響をできる限り小さくしました。さらに、ミルク分とコーヒー分を別々に殺菌し、その後タンクで混合・充填させるという、当社独自の「アフターブレンド製法」※を開発し、喫茶店で飲むような、手淹れのコーヒーに限りなく近いおいしさを実現することができるようになりました。この「アフターブレンド製法」を用いたコーヒーが、より手淹れのコーヒーのおいしさに近づいたことは、香気分析および官能評価によって、客観的に評価、裏付けされています。

※アフターブレンド製法は《マウントレーニア》シリーズの一部商品に使用しています。


~おいしさを引き出す、たゆまない努力~

《マウントレーニア カフェラッテ》はもちろん、使用する原料にもこだわっています。開発当時はコーヒーに関する知識が十分ではありませんでしたが、研究を重ねるなか、原料や抽出といったコーヒーの製造に関する知識を高めてきました。
コーヒー豆に関しても、現在では社内にコーヒー鑑定士を擁するまでとなり、《マウントレーニア カフェラッテ》には彼らが厳選した高品質のアラビカ種のレギュラーコーヒー豆のみを使用しています。

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コーヒー関連の様々な専門資格を有した開発員たち

《マウントレーニア》開発チームには、コーヒーに関するさまざまな資格をもった開発員がいます。ブラジルコーヒー鑑定士、コーヒーインストラクター1級、2級、IIACイタリアーノエスプレッソテースター、CQI認定Qアラビカグレーダーなど、多岐にわたる見識を持ち寄り、多角的な視点から、本当においしいコーヒーを目指して日々研究開発を行っています。

コーヒー関連の様々な専門資格を有した開発員たち

神戸工場
《マウントレーニア》を製造している神戸工場

工場での製造過程にもこだわりがあります。焙煎されたコーヒー豆は、鮮度の高いうちに粉砕し、その後、すぐに当社で独自開発した大型の加圧式抽出器(エスプレッソマシーン)で自家抽出を行います。
抽出後のエスプレッソは、新鮮な香りが失われないよう、すぐにミルクとブレンドされます。
このミルクも重要なポイントです。森永乳業ならではのミルクのノウハウを最大限に活かし、エスプレッソのボディを引き立てる最適な配合を追求しました。

時代のニーズに合わせ進化する
ラインナップ

《マウントレーニア》は他商品とは差別化されたおいしさ、カップによる新しい飲用スタイルなどが好評を博し、発売してから25年以上経った今も、チルドカップコーヒーのトップシェア※を維持しています。

マウントレーニア カフェラッテ

また、スタンダードタイプのほか、素材や製法によりこだわったスペシャリティタイプや季節に合わせた旬の味わいをお楽しみいただけるシーズナルタイプなど、年間で約13~14品にも及ぶラインアップの豊富さも魅力の一つです。
こだわりが詰まった《マウントレーニア》シリーズで、豊かで幸せなひと時をお楽しみいただけたらと思います。※インテージSRI+チルドカップコーヒー飲料市場 2020年4月〜2021年3月 累計販売金額

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《マウントレーニア》商品開発こぼれ話

《マウントレーニア》は現代の多様なニーズ、ライフスタイルに応えるため、期間限定フレーバーやスペシャルティタイプなど、数多くのラインアップを取り揃えています。その一つ一つに様々な努力と工夫が隠されています。例えば、《マウントレーニア ディープエスプレッソ》は、コーヒー規格の2倍量※の豆を贅沢に使用し、香り高い濃厚なエスプレッソを味わっていただける人気商品です。※コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約

マウントレーニア
商品画像(2023年4月時点)

マウントレーニア
商品画像(2023年4月時点)

また、コーヒー本来の香りやコクはそのままに、苦みや雑味をおさえた、すっきりした飲み心地で好評を頂いているのが《マウントレーニア コールドブリュー 後味すっきり》です。
この商品の大きなこだわりは、コーヒー豆を低い温度でじっくり抽出する低温抽出(コールドブリュー)にあります。じっくり抽出することで雑味・苦味が除かれ、コーヒー本来の味と香り、そしてすっきりとした後味が楽しめるのです。

低温抽出は新しい技術であり、理想の風味を実現するために、何度も試行錯誤を繰り返しました。努力の甲斐あって、誰もが納得のいく味わいを出すことが出来ました。研究所で検討した初めての製法を、実際の製造現場にも落とし込み、製品化にたどり着いたときには、達成感と共に安堵感もありました。もしお店で見かけたらぜひお試しいただきたいです。

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