2023年03月31日 研究開発

-松本市立病院との共同研究での取組み-

ビフィズス菌M-63が健常な正期産児の腸内環境を改善させることを確認 ~科学雑誌『Nutrients』掲載~

 

森永乳業は長年にわたり、ヒトの腸内にすみ、様々な健康効果をもたらしていると考えられているビフィズス菌の基礎研究を行っております。また、包括連携協定を締結した長野県松本市※1において、機能性素材の臨床研究を長年実施し、その成果を市民の皆さまの健康づくりや当社素材開発に活かしています。このたび、松本市立病院との共同研究※2で実施した臨床試験において、ビフィズス菌M-63※3に健常な正期産児の腸内環境を改善させる効果が明らかになりましたので、ご報告いたします。なお、本研究成果は、科学雑誌「Nutrients」に2023年3月14日に掲載されました※4

1.研究背景

ビフィズス菌M-63は母乳との親和性が高く、乳児の腸内環境や健康への効果が期待されるビフィズス菌です。本研究では、松本市立病院との共同研究により健常な正期産児(111名)にビフィズス菌M-63(10億個/日)又はプラセボを生後1週目までに投与を開始し、その後生後3ヶ月まで摂取いただき、腸内細菌叢や排便状況といった生理機能の影響および安全性を評価しました。

 

2.研究方法

 ・対象者            : 正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日まで)で生まれた健常な新生児(111名)
 ・試験デザイン   : ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
 ・試験食品摂取  : 1日当たり「ビフィズス菌M-63」10億個を含む粉末または「ビフィズス菌M-63」を含まないプラセボ粉末を生後7日以内から生後3ヶ月まで継続摂取
 ・主要評価項目  : 腸内のビフィズス菌の定着
 ・副次評価項目  : 腸内細菌叢解析、便の理化学解析、排便回数や便性、健康状態

3研究結果

  • ビフィズス菌M-63摂取群では、摂取1週目からの早い時期に、腸内でのビフィズス菌の相対存在量がプラセボ群(対照群)と比べて、統計学的に有意に増加しました(図1)。
  • ビフィズス菌M-63摂取群では、摂取1週目から1日当たりの排便回数が減少し、特に水様便の減少が観察されました。
  • ビフィズス菌M-63摂取群では、生後1ヶ月での母乳摂取率が高い新生児ほど腸内のビフィズス菌占有率が高い傾向にありました。
  • ビフィズス菌M-63摂取群において、生後 1ヶ月での便中の成分分析を実施したところ、短鎖脂肪酸の1種である酢酸および分泌型IgA(消化管の免疫機能に重要な役割を持つ免疫物質)量が増加しました(図2)。

ビフィズス菌M-63摂取に起因する有害事象は認められず、新生児に対する安全性が示されました。

グラフ1

4.今後の展望

今回、ビフィズス菌M-63が健常な正期産児の腸内環境を改善させる機能、消化機能を調節する機能が示され、新生児・乳児への安全性も確認されました。また、今回の試験で使用したビフィズス菌M-63は、2022年に米国でGRAS (Generally Recognized as Safe) ※5を一般食品向け用途と乳児向けの用途で取得し、海外でも安全性が認められています。今後は、ビフィズス菌M-63の海外での育児用ミルクへの活用を目指し、当社ビフィズス菌の海外展開へ注力いたします。これに加え、包括連携協定を締結している松本市との取組みによって得られる知見を活用し、森永乳業ではこれからも、人々の健康に貢献できる正しい情報と優れた素材を発信できるよう、努めてまいります。

詳細はこちら (680.4KB)

 

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