商品開発

ギリシャヨーグルト パルテノ

ヨーグルトの新たなおいしさを日本の食卓に。
伝統的製造方法の徹底的再現により
濃厚クリーミーなおいしさを実現
ギリシャヨーグルト パルテノ

ヨーグルト本来のおいしさを、もっと。
日本で初めて※ギリシャヨーグルトの開発に挑戦

《ギリシャヨーグルト パルテノ》(以下パルテノ)の開発が始まったのは2008年。当時、日本でほとんど知られていなかったギリシャヨーグルトですが、海外ではすでに健康食として知られていました。1990年代後半にヨーロッパでブームが起こった後、2004年のアテネオリンピックを機に、アメリカを中心に急速に広まっていきました。一方、その頃の日本のヨーグルト市場は“脂肪ゼロ”などの健康機能を打ち出した商品が主流で、おいしさや嗜好性のバリエーションが乏しい、という状況にありました。日本のヨーグルト市場に新たなカテゴリーを築きたい、新たなおいしさをお届けしたい、という強い思いからギリシャヨーグルトの開発プロジェクトが始まりました。

※Mintel GNPDを用いた当社調べ(2019年8月)

伝統的な製法を徹底再現したからこそ生まれる
なめらかな舌触りとコクのあるおいしさ

ギリシャヨーグルト パルテノ

《パルテノ》の第一のこだわりは、伝統的なギリシャヨーグルトの製法を徹底的に再現することでした。エーゲ海に面するギリシャでは、各々の家庭が“モスリン”と呼ばれる布袋で水切りし、水分や乳清(ホエイ)を取り除くことで、濃厚なギリシャヨーグルトを作ります。この伝統的な製法を、工業的製造で再現するノウハウがなかったため、一から手探りで技術開発を行いました。

課題となったのは「高たんぱく質」「コクのあるおいしさ」「なめらかさ」、そのすべてを実現することでした。
高たんぱく質のヨーグルトを作るには、単純に、予め乳たんぱく質が濃縮された原料を乳に混ぜ、乳たんぱく質の濃い液を発酵させる、という製法もあります。しかし、その製法では雑味やざらつきが強く、ギリシャヨーグルトならではのおいしさが損なわれてしまいます。お客さまに満足いただける商品にするため、おいしさとなめらかさに対しては一切妥協しませんでした。さまざまな濃縮技術の検討を進め、《パルテノ》の核となる「水切り製法」を開発しました。

《パルテノ》の「水切り製法」は、ヨーグルトを発酵させた後に水切りを行うことで、たんぱく質とミネラルのバランスが整えられ、雑味の少ない、すっきりとした味わいになります。同時に、粒子が密に整い、濃厚な食感と光沢、なめらかさが実現できるのです。

ギリシャヨーグルト パルテノ

グラフ グラフ

しかし、「水切り製法」という濃縮技術のみで、《パルテノ》のコクのあるおいしさや、なめらかさが実現できたわけではありません。原料の選定、配合、濃縮する前のヨーグルトの状態、濃縮する濃さなどの複雑な要因を一つ一つ検証し、組み合わせる必要がありました。さまざまな条件を組み合わせ、膨大な数の試作を行うことで、今の《パルテノ》の味わいと食感に辿りつきました。

本場ギリシャの味わいを家庭でも。
「ヨーグルト×はちみつ」という新提案

《パルテノ》は、容器にもこだわりがあります。光が当たると乳は酸化するため、風味が損なわれてしまいます。ギリシャヨーグルトのおいしさを損なうことなく味わっていただくため、包材メーカーや社内の包装開発チームと協力して、カップに遮光性をもたせた《パルテノ》独自の新容器を開発しました。

さらに、本場ギリシャで食されている「ギリシャヨーグルト×はちみつ」という組み合わせを楽しんでいただきたいと考え、はちみつを別添えにしたことも大きなこだわりです。まずはヨーグルト本来の味わいを楽しんでいただき、その後に、はちみつをプラスしたおいしさを体験していただくことで、濃厚なギリシャヨーグルトの味わいとはちみつの香り、甘味の調和を感じることができます。これは、今までの日本のヨーグルトにはなかったおいしさです。

2011年9月に《パルテノ》は満を持して発売されました。日本初※の国産ギリシャヨーグルトでしたので、発売当初は、お客さまから数々の驚きの声をいただきました。特に、一般的なプレーンヨーグルトと比べると、《パルテノ》はクリームチーズのような濃厚さと、生クリームのようななめらかな食感が際立ちます。広告ではヨーグルトをすくったスプーンを逆さまにしても落ちてこない様子を表現し、従来のものとは違う新しいヨーグルトであることを伝えていきました。

※Mintel GNPDを用いた当社調べ(2019年8月)

ヨーグルトを薄く伸ばしたときの様子

ヨーグルトを薄く伸ばしたときの様子

左の伝統製法よりも右のパルテノの方が光沢がありなめらかな組織であることが分かる。

妥協せずに目標に突き進んだからこそ
今なお愛される《パルテノ》が誕生した

《パルテノ》の開発は、非常に小さな規模からスタートしました。最初は5kg程度の試作量で検討を始め、中規模サイズへと徐々に試作量を増やしていきました。中規模といっても、濃縮ヨーグルトの場合には、原料の段階で100kgものヨーグルトを作る必要があります。当時は担当者一人で取り組んでいたこともあり、大変な重労働でした。その後、さらに工場での製造へとスケールアップしたときには、1回で数トン単位のヨーグルトを製造し、テストを続けました。目標とする「濃厚でなめらかなギリシャヨーグルト」を目指して何度も繰り返しテストを重ね、最終的には数十トンのヨーグルトを試作しました。

しかし、なかなか完成には至らず、一度はプロジェクトを諦めざるを得ないような状況にも直面しました。この時には、社内のメンバーだけでなく、取引先、技術協力をお願いしている海外の技術者の方々など、多岐に渡る部門のメンバーが一丸となることで、課題をクリアし、最終的には理想的な完成形に辿り着くことが出来ました。《パルテノ》は非常に多くの人々の努力と協力によって生みだされた商品です。

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