森永乳業のビフィズス菌研究

ビフィズス菌はどこから来たの?

腸内細菌の発見からビフィズス菌研究へ

ビフィズス菌は、1899年フランスでTissier博士によって、母乳で育った赤ちゃんの糞便から発見されました。その後、ビフィズス菌が赤ちゃんにとって重要な菌であることが示されたため、欧米諸国を中心に研究が行われるようになったのです。
1950年代後半から、成人においても腸内フローラと宿主の関わり合いが明らかになる中で、ビフィズス菌は有害菌を抑制するなど腸内環境を改善する重要な有用菌であると考えられるようになりました。
1980年代に入り、腸内のビフィズス菌が多い腸内細菌バランスが健康に寄与することが示され、保健機能(一般食品と医薬品の中間に位置する一定の機能)を有する食品の発展につながりました。ビフィズス菌の具体的な機能については数多くの研究成果が報告されており、今もなお活発な研究が続いています。

腸内細菌研究の歴史

1719年腸内細菌の発見 1899年ビフィズス菌の発見(Tissier博士) 1950年代国内外で腸内フローラの研究がスタート 1950年代後半ビフィズス菌が乳幼児だけでなく、成人の腸内フローラを構成する細菌としてより重要であることが明らかに 1969年腸内フローラと宿主の健康との関連性が示唆される(光岡知足博士) ビフィズス菌など腸内細菌に関する健康効果研究が進む 1980年代腸内細菌研究の成果が保健機能を有する食品の発展につながる 参考文献:光岡、腸内細菌学雑誌、2011

なぜ森永乳業がビフィズス菌?

森永乳業では、育児用ミルクの研究開発を進める中で、母乳を飲む赤ちゃんと育児用ミルクを飲む赤ちゃんの腸内細菌の違いに注目し、1960年代からビフィズス菌研究をスタートしました。当初はビフィズス菌の培養すら困難でしたが、精力的に取り組み、研究を発展させてきました。
当時は、腸内細菌研究における日本の祖である光岡知足博士のもとに他の研究者とともに集まるなどして、切磋琢磨していたようです。

森永ドライミルク(1921年発売)

1970年代になると、ビフィズス菌を製品に応用するための研究にも取り掛かりました。半世紀を超えて研究を積み重ね、森永乳業の研究は多くの成果を上げ、ビフィズス菌研究のパイオニアとして今も研究を進展させています。

当時の中央研究所製品検査室
ビフィズス菌BB536

腸内フローラの加齢による変化を明らかに

次世代シーケンサーを日本では他の食品メーカーに先駆けて導入。培養が難しい細菌も含め、腸内フローラの年齢による変化の詳細を明らかにし、過去の研究も最新データにアップデートしています。

培養法を用いた年齢による腸内フローラの変化 次世代シーケンサーを用いた年齢による腸内フローラの変化

「ビフィズス菌は実は森永乳業」の理由

50年以上のビフィズス菌研究

大腸のことを考え続けて、ビフィズス菌研究50年を迎えました

もともとヒトにすむ種類のビフィズス菌は酸や酸素に弱い性質を持っており、食品への応用が難しかったのですが、森永乳業では1971年に日本で初めて乳製品へビフィズス菌を応用することに成功しました。
ビフィズス菌BB536は、赤ちゃんの腸内から採取されたヒトのビフィズス菌です。日本では40年以上の販売実績があり、世界でも30か国以上でヨーグルトやサプリメント、育児用粉ミルクなどに利用されており、世界で認められたビフィズス菌と言えます。
さらに、森永乳業ではビフィズス菌BB536の生理機能に関する豊富な研究がなされており、プロバイオティクスとしての健康維持に役立つ多くの機能が期待できます。

1969年 赤ちゃんの腸内からビフィズス菌 BB536を発見!

ヒトにすむビフィズス菌の論文数は世界一※1

森永乳業のヒトにすむビフィズス菌に関する
研究論文数は世界一※1

これまでに発表されたビフィズス菌BB536の研究論文は240報以上(2023年3月時点)。
ビフィズス菌BB536は累計30か国以上で食品に使用され、日本だけでなく世界中の健康を支えています。

※1 ナレッジワイヤ社調べ、2024年1月時点(PubMed・医中誌WEBにて企業による研究論文数で世界一)

ビフィズス菌論文数※1世界一

世界初※2のビフィズス菌

ビフィズス菌MCC1274は、認知機能の一部である記憶力を維持することが報告されています。

世界初※2のビフィズス菌

認知機能テスト(RBANSスコア)の実測値

認知機能テスト(RBANSスコア)の実測値

※2 ヒト臨床試験において単一のビフィズス菌生菌体のみで加齢に伴い低下する認知機能(記憶力)を維持する働きが世界で初めて論文報告された
(PubMedと医中誌WEBより、ビフィズス菌と認知機能および記憶のキーワードを用いたランダム化比較試験の文献検索結果。ナレッジワイヤ社調べ)

国内外での評価

菌体販売量 国内シェアNo.1

ビフィズス菌・乳酸菌市場 
国内メーカーシェアNo.1

森永乳業ではビフィズス菌のトップランナーとして長年にわたり研究を続け、ビフィズス菌・乳酸菌のメーカーシェアNo.1を誇ります。

出典:(株)富士経済「生物由来有用成分・素材市場徹底調査2022」乳酸菌・ビフィズス菌
カテゴリー2021年実績

菌体販売量国内シェアNo.1

累計30か国以上の出荷実績

健康食品や育児用食品として使用された実績 
米国のGRAS取得

累計30か国以上の出荷実績

日本国内に加え、ビフィズス菌BB536はこれまで累計30か国以上で健康食品や育児用食品として使用された実績があります。約半世紀にわたるBB536の研究や製品への応用から、その安全性が認められ、米国においてGRAS(Generally Recognized As Safe『一般的に安全と認められたもの』)を取得しています。長年の研究と製品応用に裏付けられた安全性を誇ります。

学会受賞歴

受賞歴
使用許可

ビフィズス菌研究ヒストリー

半世紀以上続く、森永乳業のビフィズス菌研究

1969年のビフィズス菌BB536発見から、ビフィズス菌や腸内フローラについて様々な研究を行ってきました。これからも多くの方の健康に貢献できるよう日々努力を続けていきます。

ビフィズス菌研究ヒストリー
1969年 乳児から「ビフィズス菌BB536」を発見
1971年 ビフィズス菌入りヨーグルト発売
1977年 ビフィズス菌入り乳飲料を発売
1984年 乳製品へのビフィズス菌利用技術を評価され、科学技術庁長官賞を受賞
1986年 ビフィズス菌入りヨーグルトの製造方法をヨーロッパへ技術輸出
1994年 ドイツ企業と菌体のライセンス製造契約、世界で発売
1996年 森永乳業のヨーグルトが生きたビフィズス菌が入った食品で初めて特定保健用食品として許可される
2009年 「ビフィズス菌BB536」が米国FDAの安全性認可制度で一般食品に用いることのできるビフィズス菌としては 世界で初めてGRASを取得
2013年 高菌数、高生残性ビフィズス菌含有ヨーグルト製造方法の技術開発により農芸化学技術賞を受賞
「ビフィズス菌M-16V」が米国FDAの安全性認可制度でGRAS及びInfant GRASを取得
2019年 「ビフィズス菌M-16V」がシンガポールNutra Ingredients‐Asia Awardsで乳幼児栄養賞を日本企業で初めて受賞
「ビフィズス菌BB536」の長年の研究と活動を評価され、日本食品免疫学会「食品免疫産業賞」を受賞
「ビフィズス菌BB536」が米国FDAの安全性認可制度でinfant GRASを取得
2021年 「ビフィズス菌MCC1274」が日本認知症予防学会において優秀演題賞である「浦上賞」を受賞
2022年 「ビフィズス菌BB536」が中国の国家衛生健康委員会審査制度における新食品原料に登録
「ビフィズス菌MCC1274」が米国FDAの安全性許可制度でGRASを取得
2023年 認知機能改善作用を有するビフィズス菌MCC1274の開発と事業化により「農芸化学技術賞」を受賞
長年のビフィズス菌生菌末の製造技術および応用製品の開発が評価され「文部科学大臣表彰科学技術賞 (開発部門)」を受賞
「ビフィズス菌MCC1274」がウェルネスフードアワード2023において 「最優秀賞」 「認知・睡眠部門金賞」を受賞
「ビフィズス菌BB536」がブラジル国家衛生監督庁 (ANVISA) より一般食品への使用承認を取得

森永乳業の、
主なビフィズス菌たちをご紹介します。

ビフィズス菌BB536

ビフィズス菌BB536

ビフィズス菌とひと言にいっても、その種類はさまざま!
現在、確認されているだけでも100種類以上(2023年10月時点)ほどあり、おなかへの作用や性質もみな異なります。森永乳業が研究を続ける「ビフィズス菌BB536」は、人にすむ種類のおなかに適した菌で、酸や酸素に強いため生き残りやすく、また整腸作用から感染症予防、骨補強作用などの働きをしてくれる優れたビフィズス菌です。ここでは、その働きを見ていきましょう。

ビフィズス菌M-16V

ビフィズス菌M-16V

ビフィズス菌は、生まれたての赤ちゃんにとって健康を守るとても大切な菌です。未熟な腸や免疫機能の発達を助けて、赤ちゃんの命が危険に晒されないように見張っているのです。その頼もしい働きぶりをみてみましょう。

ビフィズス菌MCC1274

ビフィズス菌MCC1274

軽度認知障害への作用が確認され注目される「ビフィズス菌 MCC1274」。森永乳業が脳と腸の関係を研究する中で見出したビフィズス菌です。その詳しい働きを見ていきましょう。