のどが乾燥する原因は?

冬が近づくと、空気が乾燥して「のどがイガイガする」「電車内で急にせき込む」「朝起きると、のどがカラカラに乾いて声が出にくい」などということはありませんか? のどが乾燥すると、ウイルスなどの病原体が粘膜に付着しやすくなり、感染症のリスクが高まります。のどが生活に潜む病原体に感染する原因を知り、乾燥からのどを守るケアの参考にしましょう。医療機関を受診した方がよいケースも紹介します。
監修者
プロフィール

橋本真一(はしもと・しんいち)先生
和歌山県立医科大学 医学部先端医学研究所 分子病態解析研究部 教授
東邦大学薬学部薬学科卒業。薬学博士。主な研究に、「がん微小環境における細胞間相互作用の解明」「ゲノム・オミックス解析を基盤とした悪性腫瘍、炎症免疫組織の病態解明」等がある。
1.のどと鼻の粘膜は感染症と戦う免疫の最前線
のどの乾燥は、粘膜と深い関わりがあります。粘膜とは、のどの他にも鼻の穴や口の中、耳の中、生殖器、肛門、内臓器官などを覆っている柔らかい膜のこと。粘液といわれる分泌物によって、普段はしっとりと潤っています。
皮膚が私たちの体の表面を覆っているのに対して、粘膜は体内において外部と接している部分の表面を全て覆い、外部からの病原体の侵入を防ぐ役割があります。中でも病原体にさらされやすいのは、のどと鼻の粘膜です。なぜなら、のどや鼻には、呼吸や食事によってウイルス・細菌などの病原体が、日々絶え間なく入ってくるからです。のどや鼻の粘膜は病原体や異物の侵入を察知し、免疫機能を働かせて病原体の侵入を防いでいます。
鼻の粘膜は細かい毛(線毛)で覆われ、波打つように動いて病原体を絡め取り、粘液(鼻水)と共に体外に排出します。のどの粘膜には線毛は生えていませんが、のどにはその周辺をぐるりと囲むように、リンパ組織(扁桃組織)があります。口蓋扁桃、舌扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃などで、それらをまとめて「ワルダイエルの咽頭輪」と呼んでいます。
このリンパ組織は、外部から侵入してきた病原体から体を守るためのシステムで、細菌やウイルスに対して、免疫物質や個別の抗体をつくり、のどの粘膜への感染を防いでいます。
皮膚が私たちの体の表面を覆っているのに対して、粘膜は体内において外部と接している部分の表面を全て覆い、外部からの病原体の侵入を防ぐ役割があります。中でも病原体にさらされやすいのは、のどと鼻の粘膜です。なぜなら、のどや鼻には、呼吸や食事によってウイルス・細菌などの病原体が、日々絶え間なく入ってくるからです。のどや鼻の粘膜は病原体や異物の侵入を察知し、免疫機能を働かせて病原体の侵入を防いでいます。
鼻の粘膜は細かい毛(線毛)で覆われ、波打つように動いて病原体を絡め取り、粘液(鼻水)と共に体外に排出します。のどの粘膜には線毛は生えていませんが、のどにはその周辺をぐるりと囲むように、リンパ組織(扁桃組織)があります。口蓋扁桃、舌扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃などで、それらをまとめて「ワルダイエルの咽頭輪」と呼んでいます。
このリンパ組織は、外部から侵入してきた病原体から体を守るためのシステムで、細菌やウイルスに対して、免疫物質や個別の抗体をつくり、のどの粘膜への感染を防いでいます。
口や鼻から入り込んだ病原体は、まず、のどや鼻の粘膜にくっつきます。でも、安心してください。たとえ病原体が入り込んでも、粘膜の免疫機能で防げれば、体内への感染を防ぐことができます。風邪などでのどの炎症が起きると、扁桃などのリンパ組織が程度の差こそあれ腫れるのは、リンパ組織が病原体と戦っている証拠です。のどや鼻の粘膜は病原体が体内に侵入するのを防ぐ最初の砦なのです。
また、のどが唾液で潤っていることも大切です。のどが乾燥していると、ウイルスなどの病原体が粘膜に付着し、侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まってしまうからです。
また、のどが唾液で潤っていることも大切です。のどが乾燥していると、ウイルスなどの病原体が粘膜に付着し、侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まってしまうからです。
2.のどが乾燥する原因は?
のどが乾燥する理由は様々あります。今回は主な6つの原因について解説します。
(1)環境
湿度が60%以下の環境では、口や目から水分がどんどん蒸発していきます。空気が乾燥する冬場は、のども乾燥しやすくなります。外気はもちろんのこと、エアコン(暖房)の使用によって室内の空気も乾燥するため、部屋の中にいてものどが乾燥しやすくなるのです。また、冬だけではなく、エアコン(冷房)の影響で夏も室内が乾燥しやすく、夏でも知らず知らずのうちにのどが乾燥していることがあります。
(2)加齢
人体に占める水分量は体重の60%程度が一般的です。しかし、加齢と共にその量は減少し、高齢になると50~55%まで減ってしまいます。また、加齢による腎臓の機能低下によって、高齢になると尿量も多くなります。尿として水分がたくさん出てしまうと、より水分不足になりがちで、のども乾燥しやすくなります。
(2)加齢
人体に占める水分量は体重の60%程度が一般的です。しかし、加齢と共にその量は減少し、高齢になると50~55%まで減ってしまいます。また、加齢による腎臓の機能低下によって、高齢になると尿量も多くなります。尿として水分がたくさん出てしまうと、より水分不足になりがちで、のども乾燥しやすくなります。
(3)水分不足
そもそも体に必要な水分が足りていないケースもあります。特に、感覚器官が老化し始める50代くらいからは、のどが渇いた感覚が薄れていきます。気付かぬうちに水分不足に陥ることがあるので、のどが渇いていなくてもこまめな水分補給が大切です。
(4)口呼吸
のどは空気の通り道。呼吸はのどの大事な役割の一つで、鼻呼吸と口呼吸があります。鼻粘膜によって空気が加湿されるため、鼻呼吸はのどの乾燥を防いでくれます。一方、口から吸った空気はほとんど加湿されません。そのため、鼻呼吸に比べて口呼吸は、呼吸と一緒にウイルスなどの異物が侵入しやすくなります。
特にエアコンの冷暖房などで寝室が乾燥している場合、睡眠中の口呼吸がのどの粘膜に悪影響を及ぼします。
そもそも体に必要な水分が足りていないケースもあります。特に、感覚器官が老化し始める50代くらいからは、のどが渇いた感覚が薄れていきます。気付かぬうちに水分不足に陥ることがあるので、のどが渇いていなくてもこまめな水分補給が大切です。
(4)口呼吸
のどは空気の通り道。呼吸はのどの大事な役割の一つで、鼻呼吸と口呼吸があります。鼻粘膜によって空気が加湿されるため、鼻呼吸はのどの乾燥を防いでくれます。一方、口から吸った空気はほとんど加湿されません。そのため、鼻呼吸に比べて口呼吸は、呼吸と一緒にウイルスなどの異物が侵入しやすくなります。
特にエアコンの冷暖房などで寝室が乾燥している場合、睡眠中の口呼吸がのどの粘膜に悪影響を及ぼします。
(5)その他の生活習慣
喫煙や飲酒は粘膜の乾燥が進みやすい原因の一つです。ウイスキーやブランデー、焼酎などのアルコール度数の高いお酒は、のどの粘膜を傷つける可能性も。ストレートやロックではなく、水やお湯で薄めて、適量を心掛けましょう。
また、人と話す機会が減ると声を出しにくくなります。のども筋肉ですから、使わないと弱ってしまうためです。だからといって、しゃべり過ぎもよくありません。長時間の会話や歌唱、大声などは、一時的にのどを乾燥させたり傷つけたりする要因になります。
この他、ストレスものどの粘膜に影響を与えます。ストレスは、免疫機能の低下の原因の一つです。日常生活で過度のストレスが掛かり、自律神経の交感神経が優位になると血管が収縮し、唾液の分泌が滞り、免疫機能にも悪影響を及ぼします。免疫機能が低下していると、ウイルスなどにのどが感染しやすくなり、のどの炎症が起こりやすくなる可能性もあります。
(6)疾患や薬の影響
病気や薬の影響によって、のどが乾燥しやすくなることもあります。
主な病気に、様々な原因で唾液の分泌量が低下して口の中の乾燥が長く続く「ドライマウス(口腔乾燥症)」、アレルギー性鼻炎や花粉症などのアレルギー疾患、風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症などがあります。
他にも、免疫の異常によって唾液腺などの粘液を出す組織に炎症が起き、口が乾燥する「シェーグレン症候群」などの病気(自己免疫疾患)や、抗ヒスタミン薬、降圧薬、抗うつ薬など、唾液分泌を抑える副作用を持つ薬剤の服用によっても、のどが乾燥しやすくなります。
喫煙や飲酒は粘膜の乾燥が進みやすい原因の一つです。ウイスキーやブランデー、焼酎などのアルコール度数の高いお酒は、のどの粘膜を傷つける可能性も。ストレートやロックではなく、水やお湯で薄めて、適量を心掛けましょう。
また、人と話す機会が減ると声を出しにくくなります。のども筋肉ですから、使わないと弱ってしまうためです。だからといって、しゃべり過ぎもよくありません。長時間の会話や歌唱、大声などは、一時的にのどを乾燥させたり傷つけたりする要因になります。
この他、ストレスものどの粘膜に影響を与えます。ストレスは、免疫機能の低下の原因の一つです。日常生活で過度のストレスが掛かり、自律神経の交感神経が優位になると血管が収縮し、唾液の分泌が滞り、免疫機能にも悪影響を及ぼします。免疫機能が低下していると、ウイルスなどにのどが感染しやすくなり、のどの炎症が起こりやすくなる可能性もあります。
(6)疾患や薬の影響
病気や薬の影響によって、のどが乾燥しやすくなることもあります。
主な病気に、様々な原因で唾液の分泌量が低下して口の中の乾燥が長く続く「ドライマウス(口腔乾燥症)」、アレルギー性鼻炎や花粉症などのアレルギー疾患、風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症などがあります。
他にも、免疫の異常によって唾液腺などの粘液を出す組織に炎症が起き、口が乾燥する「シェーグレン症候群」などの病気(自己免疫疾患)や、抗ヒスタミン薬、降圧薬、抗うつ薬など、唾液分泌を抑える副作用を持つ薬剤の服用によっても、のどが乾燥しやすくなります。
3.のどの乾燥で、医療機関を受診した方がよいケース
以下のような症状がある時は、かかりつけ医など医療機関を受診しましょう。
・のどの乾燥が長く続く
・乾燥に加えて、のどに強い痛みがある
・声のかすれが2週間以上続く
・のどの乾燥だけでなく、強い口の渇きがある
・関節痛や倦怠感など、全身症状を伴う場合
これ以外にも、気になる症状があれば、できるだけ早い段階で、かかりつけ医などの医療機関を受診することをお勧めします。
・のどの乾燥が長く続く
・乾燥に加えて、のどに強い痛みがある
・声のかすれが2週間以上続く
・のどの乾燥だけでなく、強い口の渇きがある
・関節痛や倦怠感など、全身症状を伴う場合
これ以外にも、気になる症状があれば、できるだけ早い段階で、かかりつけ医などの医療機関を受診することをお勧めします。
まとめ
のどはウイルスなどの病原体の侵入を防ぐ最初の砦としての重要な役割があります。のどの粘膜が潤っていないとウイルスが侵入しやすくなってしまうため、体全体の健康を保つためにも、のどの乾燥は大敵です。日常生活の中には、のどの乾燥の原因がたくさんあります。乾燥によってのどの粘膜を傷めない環境づくりやケアを取り入れましょう。
