2016年11月08日 研究開発

L. paracasei MCC1849株の摂取が
風邪症状および気分状態に及ぼす効果の研究 ~日本食品免疫学会第12回学術大会発表内容のご報告~


 森永乳業では、免疫力を高める作用に着目して、ヒトの腸管から見出された 乳酸菌Lactobacillus paracasei MCC1849株の摂取が、風邪などの自覚症状に及ぼす効果について、九州女子大学 近藤順子准教授、三浦公志郎教授との共同研究を実施いたしました。今回、乳酸菌L. paracasei MCC1849株の摂取によって、風邪の自覚症状が低下し、症状が軽減する可能性を見出しました。本研究結果は、日本食品免疫学会第12回学術大会(2016年11月9~10日、東京)にて発表します。
 

<結果の概要>
1.風邪の自覚症状に対する影響
 ・摂取期間中(12週間)に風邪の自覚症状があった人の割合は、解析対象集団全体をみると、100億群、300億群ではプラセボ群と比べやや
  低値を示しましたが、群間での有意差はみられませんでした。
 ・一方、過去1年間に風邪の自覚症状が1回以上あった集団を対象に解析したところ、風邪の自覚症状があった人の割合(図2)および症状
  の発現日数、症状スコアは、いずれもプラセボ群と比べ100億群で有意に低値となり、300億群においても有意差はみられませんが低値を
    示しました。

2.気分状態に対する影響
 気分プロフィール検査の結果、摂取開始6週目、12週目においてプラセボ群では、摂取前とくらべてポジティブな気分状態の指標「友好
 (Friendliness)*1」と「活気-活力(Vigor-Activity)*2」のスコアが低下しました。この理由として、摂取期間と同時期に行われた学力試験に
 よる精神的ストレスが、対象者の心理状態に影響した可能性が考えられました。一方で、L. paracasei MCC1849菌末 100億群では
 「友好」、「活気-活力」の低下が有意に改善し、300億群でも「友好」が高値を示しました(図3)。
   *1「友好」とは、他人に対して信頼感や思いやりのある前向きな気分を指す
   *2「活気-活力」とは、いきいきして活動的な気分、やる気に満ちた前向きな気分を指す


<まとめ>
 以上の結果から、免疫力を高める作用に着目したL. paracasei MCC1849株の摂取は、風邪を引きやすい方での風邪の自覚症状の発現を抑えるとともに、発現した症状のスコアや日数を軽減する可能性が示されました。また、学力試験などのストレス状態にも影響し、ポジティブで前向きな気分状態の維持に役立つ可能性が示唆されました。
 


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