機能性素材研究

アロエステロール®

アロエベラの肌を潤す機能性成分を、
経口摂取という新発想で明らかに。
森永乳業のアロエステロール®研究
ラクトフェリン

アロエの未知なる可能性を追い求めて

アロエベラ葉肉は、古くからさまざまな保健機能を持つ素材として広く活用されています。特にやけどや傷の治癒を促す作用や、抗炎症、抗菌など、外用による研究成果は多数報告されています。一方、“食べる”ことで効果を発揮するという報告は少数しかありませんでした。しかし当社は1994年よりアロエ入りのヨーグルトを販売していたことから、アロエを経口摂取した際に得られる機能に着目し、2003年より研究を開始しました。また、アロエベラ葉肉中には未知の機能性成分が存在している可能性が考えられたことから、葉肉中の新規成分の探索にも着手しました。

強い信念のもと、地道な作業を繰り返した末の発見

アロエベラは約600種類あるといわれるアロエの一種で、大きな葉と水分を豊富に含んだ厚みのある葉肉が特徴です。透明な葉肉は苦味がないため、食用にも利用されています。

アロエベラに限らず、植物中には非常に多種多様な成分が含まれており、その中から活性成分を特定する研究は極めて難しく、大変な労力を伴うものになりました。しかし、アロエベラには優れた効果を示す、未知の機能性成分が含まれているに違いないという確信が、私たちを支えてくれました。
アロエベラの葉肉から、さまざまな成分が混在しているサンプルを分離し、得られた画分の中に有効成分が含まれているのかどうかを検証して、活性の認められた画分をさらに分離するという工程をひたすら繰り返しました。

アロエベラ

3年後、ついにアロエベラの細胞膜に極微量含まれていた5つの機能性成分を単離することに成功しました。そして、この5つの成分を総称して〈アロエステロール®〉と命名しました。

毎日の摂取で肌を潤す
希少成分〈アロエステロール®〉

〈アロエステロール®〉は植物性の脂溶性成分の一種で、植物の細胞膜に存在するフィトステロール(“フィト”=“植物”ステロール)に分類されます。
アロエベラ葉肉の大部分は水分で、〈アロエステロール®〉は約75kgのアロエベラにわずか0.01g(胡麻3~4粒分位)しか含まれない、とても希少な微量成分です。
さまざまな機能性が期待されるなか、私たちが注目したのは“肌”への作用でした。

私たちヒトは、2つの要因により肌の機能が衰えると考えられています。1つ目は加齢による肌細胞の変化です。加齢により線維芽細胞の数が減り、働きも低下することで、肌のハリや潤いを保つコラーゲンやヒアルロン酸が少なくなります。その結果、肌のハリが低下し、いわゆる“たるみ”や“しわ”が増えてしまいます。そして、2つ目の要因は、紫外線による影響です。紫外線を浴びた肌では、酸化ストレスが発生し、コラーゲンの分解や、ヒアルロン酸合成の低下が引き起こされると言われています。

表皮の図

年を重ねてもハリのある、潤った肌を維持するためには、線維芽細胞からのコラーゲンやヒアルロン酸を作り出す力を高める必要があります。臨床試験の結果、〈アロエステロール®〉を12週間にわたって継続的に摂取することで、肌の真皮においてコラーゲン密度が増加し、さらに、皮膚表面からの水分蒸散量が低減し、皮膚水分量が維持されることが確認されました。

グラフグラフ
* P<0.05, *** P<0.001 vs 0 週
# P<0.05, ### P<0.001 vs プラセボ
データ出典:M.Tanakaら(Skin Pharmcol Physiol)29.309-317(2016)を基に作図

Column

〈アロエステロール®〉の肌機能へのメカニズム

〈アロエステロール®〉は経口摂取された後、分解することなく吸収され、血中に移行することが確認されています。最近の研究では、〈アロエステロール®〉が皮膚の真皮に存在する線維芽細胞に作用して、コラーゲンやヒアルロン酸の合成・産生を促すことにより、皮膚の保湿力を高め、肌の潤いを保つ機能が確認されています。

〈アロエステロール<sup>®</sup>〉の肌機能へのメカニズム

挑戦し続けることで新たな健康価値の提案を

“塗る”を“食べる”に変えてみたら?そんな発想の転換から始まった〈アロエステロール®〉の研究。このときの経験を活かし、これからも新たな発想と粘り強い取組で皆さまに新たな健康価値をお届けできるよう、チャレンジし続けていきたいと思います。

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